ある日、3歳の息子が一人でピタゴラスを広げて遊んでいました。
ひとしきり遊んだあと、次のおもちゃを出そうと立ち上がります。
ところがその前に、床に散らばったピタゴラスを拾い集めて、ケースにしまい始めました。
僕は「片付けて」とは言っていません。
いきなり片付け始めたので、びっくりして片付けている姿をじっと見てしまいました。
3歳の子に「片付けよう」と言っても、聞こえないふりをされる毎日ではないでしょうか。
このまま言い続けて、本当に片付けられるようになるのかな…
この記事では、息子が一人で片付けた日を迎えるまでに、我が家で続けてきたことをお話しします。あわせて、親として反省している部分も書きます。
3歳が片付けないのは当たり前
2歳から3歳のはじめごろ、息子に「片付けよう」と言っても、耳をパタンと閉じたように聞こえないふりをしていました。そのまま別のおもちゃで遊び続けるのが、いつものことでした。

また、聞こえないふりしやがって……
今でも「片付けよう」と言えば嫌がりますし、言っても片付けない日もあります。
3歳の子が片付けられないのは、当たり前のことだと思います。片付けは、大人にとってもおっくうな作業です。遊びたい盛りの子どもが、楽しい時間を自分で終わらせておもちゃを元に戻すのは、簡単なことではありません。
それでも、すぐにはできなくても、続けていれば少しずつ変わっていきます。片付けは時間がかかるものだと最初から覚悟しておくだけで、親の気持ちはずいぶん楽になるのではないでしょうか。
片付けとは「もともとあった場所に戻す作業」


僕は、片付けとは「もともとあった場所に戻す作業」だと考えています。
そうだとすると、親がまずやるべきなのは、おもちゃごとに戻る場所をつくってあげることです。大人でも、置き場所が決まっていないものは片付けようがありません。
我が家では、プラレールがちょうど収まるサイズの箱を買って、置き場所も決めています。ピタゴラスにも、入れるケースとしまう場所があります。トミカも収納箱に戻すようにしています。
大切なのは、3歳にはまず片付けやすいおもちゃから練習させることです。プラレールやピタゴラス、トミカは、箱やケースに入れれば元の状態に戻ります。子どもにとっても「ここに入れれば終わり」がわかりやすく、片付けやすいおもちゃです。
反対に、粘土のようなものは3歳にはまだ難しい領域です。もともと固まっていた粘土を工作でバラバラにしたあと、「片付けて」と言われても、元の状態には戻せません。子どもは何をどうすればいいのかわからず、混乱してしまいます。我が家でも、粘土は今でも親が片付けています。
片付けの練習にもなるおもちゃとして、我が家で遊んでいるプラレール、トミカ、ピタゴラスを紹介しておきます。ちなみにこの3つは、2歳ごろから小学校に入ってからも長く遊べるので、一度そろえておくと長く活躍してくれるおもちゃとしてもおすすめです。
片付けの声かけは2つだけ
我が家でくり返している片付けの声かけは、2つあります。どちらも、毎日同じタイミングで言うことを大切にしてきました。
「次のおもちゃで遊ぶ前にしまおう」
今も言い続けているのが、「次のおもちゃで遊ぶ前に、使ったおもちゃをしまおう」という声かけです。遊びが切り替わるタイミングなら、子どもにとっても区切りがわかりやすく、片付ける量も少なくて済みます。散らかりきってから「全部片付けて」と言うより、ずっとハードルが低くなります。
息子がピタゴラスをケースに戻したあの日は、まさにこの声かけを、誰にも言われずに自分でやってみせた瞬間でした。
「ご飯だから片付けよう」
もうひとつは、ご飯の前の「ご飯だから片付けよう」です。我が家には小学生のお姉ちゃんがいるので、お姉ちゃんに声をかけるタイミングで、息子にも同じように言ってきました。言葉を話し始めた2歳ごろから、ずっと続けてきたことです。
もちろん、言っただけで片付けるわけではありません。聞こえないふりをされたら、親が一緒に手を動かして、おもちゃを箱に戻していきます。どちらの声かけも、大事なのは、同じタイミングで言い続けることと、親も一緒にやることだと感じています。
おもちゃが多すぎると、親でも片付けられない


親としての反省もあります。我が家にはトミカのやまみちドライブのような大きなおもちゃもあり、床には常に何かしらのおもちゃが置いてある状態です。棚にも、戻す場所が決まっていない「住所不定」のものがあります。



…いや、これは僕でも片付けられないな。
正直、父親の僕でさえ片付けられないほど、物が多いです。大人が片付けられない部屋で、3歳の子に「片付けなさい」と言っても、片付けられるはずがありません。子どもが片付けられない原因の一つは、物が多すぎることだと思います。
古くなったおもちゃや壊れたおもちゃは、子どもにとって愛着があるかもしれません。それでも、手放すこともひとつのスキルです。捨てれば戻す場所に余裕ができて、住所をつくってあげることにもつながりますし、部屋もきれいになります。親自身が捨てられないことも多いと思いますが、子どもに「片付けよう」と言う前に、親が捨てられる人になることが大切ではないでしょうか。
一人で片付ける日は、ちゃんと来る
あのピタゴラスの日、頭に浮かんだのはこの一言でした。



え…今、誰にも言われずにしまった…?
2歳のころは、何度声をかけても耳をパタンと閉じていた子です。その子が、次のおもちゃに手を伸ばす前に、自分でケースを持ってきてしまっている。頭の中では、聞こえないふりをしていたころの姿と、目の前の姿が重なっていました。



最近まで「耳パタン」だった息子が…。ちゃんと片付けている!
しかも、それは一度きりではありませんでした。別の日には、遊び終わったプラレールを箱に戻していて、また別の日には、トミカを収納箱にしまっていました。どれも、その場に居合わせて、驚きながら見ていた瞬間です。
毎日できるわけではありませんが、その日はしっかり自分から片付けていました。片付けられるようになった、というより、何も言わなくても一人で片付けていたことに、親として少し感動しました。何度もくり返してきた「先にしまおう」は、ちゃんと届いていたと感じた瞬間でした。
特別なことをしたわけではありません。我が家でやってきたのは、この4つだけです。
- おもちゃごとに「戻す場所」をつくる
- 片付けやすいおもちゃから練習する
- 「次のおもちゃの前にしまおう」と言い続ける
- 聞かないときは、親も一緒に手を動かす
今日も「片付けたくない」と言われるかもしれません。それでも、次のおもちゃを出す前に、もう一度だけ「先にしまおう」と声をかけてみてください。




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