子どもの主体性は大事。でも大事なことは親が決める

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「生まれてくる赤ちゃんの名前、上のお姉ちゃんが決めました」

SNSで見かけた投稿です。

幼稚園に通う長女が、ママのお腹にいるときからずっと呼んでいた名前じゃなきゃイヤだと言い張り、両親はそのまま、その名前に決めたそうです。

微笑ましい話にも見えますが、読んだとき、少し引っかかるものがありました。お姉ちゃんの気持ちを大切にした、やさしい両親なのだと思います。

子どもの気持ちは尊重したい。でも、何でも子どもに決めさせていいのだろうか。

そんなふうに迷ったことはないでしょうか。

子どもの話はしっかり聞く。でも、大事なことは責任を取れる親が決める。

この記事では、名前の話をきっかけに考えた「子どもに決めさせること」と「親が決めること」の線引きについて書いていきます。

目次

長女の気持ちは、よくわかる

幼稚園くらいの子は、まだ考えがしっかり出来上がっていない時期です。その場で思ったことがすべてで、毎日お腹に向かって呼びかけていた名前は、長女にとってもう赤ちゃんそのものだったのかもしれません。それを変えたくない気持ちは、本当に強かったと思います。

両親も、きっと反発できなかったのでしょう。「この名前じゃなきゃ絶対イヤ!」と泣かれたら、押し切るのはなかなか大変です。同じ親として、その場面を想像すると気持ちはよくわかります。

ただ、こういう話はきっと珍しくないと思います。子どもに言われたことにそのままイエスで返すのが当たり前になると、やさしさから始まったことでも、家の大事なことまで子どもが決めることになってしまいます。

名前の決め方は、家庭それぞれ

名前の決め方は、家庭によってさまざまです。両親で話し合う家もあれば、おじいちゃんやおばあちゃんがつける家もあります。由来や響きにこだわって決める人もいるでしょう。どれが正しいということはないと思います。

どの決め方にも共通しているのは、その子がこれからどんな人生を歩むのかを考えられる大人が決めている、ということではないでしょうか。名前は、その子が一生使うものです。

子どもの気持ちは変わりやすいものです。赤ちゃんが生まれてから、お姉ちゃんが「やっぱりこの名前、イヤだった」と言い出したら、どうするのでしょうか。名前は一度届け出たら、家庭裁判所の許可がなければ変えられません。そのとき困るのは、名前を背負って生きていく下の子です。

お姉ちゃんの思いを聞いたり、候補のひとつに入れたりするのは素敵なことだと思います。もちろん、両親もお姉ちゃんも心から納得して決めた名前なら、それはそれでいいと思います。

ただ、子どもの「イヤ」に押し切られる形で、幼稚園児の長女に重要な決定事項を任せてしまうのは、少し行き過ぎではないでしょうか。

決めることには、責任がついてくる

子どもには、自分の考えがそのまま通るわけではないことを学んでほしいと思っています。学校でも職場でも、思い通りにならない場面はこれから何度もやってきます。

そして、何かを決めるときには必ず責任がついてきます。決めるべきなのは、その責任を取れる人です。名前でいえば、その責任を背負うのは長女ではなく両親です。

そう考えると、家で決めるべきことは親が決めるのが自然です。目の前の気持ちだけでなく、長い目で見て判断できるのは、やはり大人のほうではないでしょうか。

子どもに聞けば、歯みがきはしない

人は誰でも、楽なほうへ行きたいものです。小さな子どもに「今日から歯みがき、やめる?」と聞けば、喜んで「やめる!」と答えるでしょう。

虫歯になって痛い思いをするのは、ずっと先のことです。子どもはそこまで想像できないので、親は嫌がられても毎晩歯をみがきます。それを「子どもの意思を無視している」と言う人はいません。

子どもたちは、親や先人が引き受けてきた決断の恩恵の上で暮らしています。歯みがきの習慣も、それで守られてきた健康も、誰かが嫌がられながら決めてきたものです。子どもの未来に関わる決定は、親が引き受けるものだと思います。

話は聞く。でも決めるのは親

もちろん、子どもの意見をまるっきり聞かないのは違います。気持ちを受け止めて、何を考えているのかを聞く。それは親にしかできない大切なことです。

ただ、聞くことと決めることは別です。子どもが納得しないときは、言って聞かせる。一時の気持ちで、大事なことを決めさせない。それが親の仕事だと考えています。

我が家にも似た場面がありました。下の子がお腹にいたころ、家族で呼んでいた名前は、いまの名前とは別のものでした。名前については上の子と話し合うことはせず、生まれてから「この名前に決まったよ」と伝えました。

上の子は特に何も言わず、すぐに新しい名前に慣れていきました。子どもは親の様子をよく見ています。

親が迷わず決めたことを堂々と伝えれば、子どもは案外すんなり受け入れてくれるものです。

お腹にいたころの呼び名は、家族の思い出として残しておけばいいのではないでしょうか。

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